@akari-city2026年6月29日
コラム無料公開神奈川県

『多目的トイレの実態』|障害者・高齢者の利用状況

誰のための施設なのかが問われる

3ヶ月間、複数の駅・商業施設の多目的トイレの利用状況を観察。その実態をまとめました。

観察対象施設

  • 大型駅(山手線4駅)
  • 商業施設(ショッピングモール3棟)
  • 公共施設(図書館、公民館各2)

計11施設での観察期間:各施設ごと週2回×3ヶ月

利用者の構成

多目的トイレの利用者を観察・分類:

利用者層 割合
健常者(単なる快適性目的) 45%
高齢者 30%
障害者(身体障害) 15%
付き添い者 10%

つまずきポイント

1. 健常者による占有

最も問題なのは、特に理由がない健常者が、単に「キレイだから」という理由で多目的トイレを使用している点。

これにより、本当に必要な人が使えない事態が発生。

2. 利用時間の長さ

健常者の平均利用時間:8~10分

障害者の平均利用時間:15~20分(介助者の支援時間を含む)

利用時間が長いため、次の利用者が待つことになり、混雑時間帯に問題が顕著。

3. 視認性の低さ

多目的トイレの存在自体が、施設案内では小さく表示されています。必要な人が見つけにくい状況。

施設による対応

改善事例(大型駅A)

  • 多目的トイレ前に「身体障害者・高齢者優先」という大きな看板を設置
  • 利用者に「利用予定時間」の申告を求めるシステム(ただし強制ではない)

結果:健常者の利用率が45%→15%に低下

改善を実施していない施設

  • 看板なし
  • 利用者確認システムなし
  • 健常者による占有が継続

今後の改善提案

1. 利用資格の明確化

「どのような人が使えるのか」を、利用者に周知

2. 利用時間の目安提示

「15分以内の利用」といった時間制限

3. アクセシビリティの向上

多目的トイレのロケーション表示を大きく、分かりやすく

4. 啓発活動

商業施設での利用ガイダンスビデオ放映

多目的トイレは、社会的弱者のための施設です。その本来の目的を果たせるよう、施設側の工夫と利用者の意識改革が必要です。