@keigo-policy2026年6月14日
コラム無料公開福岡県

『親の遺産相続と老人ホーム』|手続きの複雑さと費用

親の介護と財産管理が同時に必要な時期

親が老人ホーム入居を検討するタイミングで、同時に相続対策が必要になりました。その複雑さをまとめます。

親の基本情報

  • 年齢:75歳
  • 健康状態:軽度認知機能低下
  • 保有資産:実家(評価額約3,000万円)、現金約500万円
  • 相続人:子ども2人

老人ホーム入居に必要な手続き

1. 入居申し込み

  • 健康診断(約5,000円)
  • 入居契約(法律家による確認推奨)
  • 入居金(施設により異なる、200~1,000万円)

2. 資産管理

  • 銀行口座の名義変更(親が判断能力低下時は後見人制度が必要)
  • 不動産の活用方法の決定
  • 生活費の確保

つまずきポイント

1. 親の判断能力が低下している場合

重大な契約(不動産売却など)を親が主体で行えなくなります。成年後見制度の利用を検討する必要があり、家庭裁判所への申し立てが必要。

費用:約20~30万円

期間:約1~3ヶ月

2. 老人ホーム費用と相続税の関係

老人ホーム入居金として資産を使用した場合、その金額は相続税計算時に「控除対象」となるのか、それとも「贈与」と見なされるのかが不明確。

税理士の見解により、最大で数百万円の差が生じる可能性があります。

3. 兄弟姉妹間の意見対立

相続対策について、兄弟で意見が異なる場合、親の判断能力が低下していると、調整が困難になります。

費用の試算

項目 費用
成年後見制度申し立て 25万円
税理士相談 50万円
弁護士相談 30万円
老人ホーム入居金 500万円(施設による)
月額費用 20~30万円

これらはあくまで初期費用。その後の月額費用が継続的に発生します。

今後の改善提案

1. 相続と介護の統合相談窓口

自治体が「法律家 + 福祉専門家」によるワンストップ相談を提供

2. 成年後見制度の簡略化

判断能力低下の度合いに応じた、より柔軟な制度設計

3. 相続税の優遇措置

老人ホーム入居に関連する費用の税優遇

介護と相続は、多くの家族が同時に直面する課題です。その支援体制の充実が急務です。